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INTERVIEW. 01

地域に無いアウトドアショップを
「EHAB」立ち上げの挑戦

地域にないものを自らの手で創り上げていく面白さ ー 幅広く事業を手がける三ッ輪商会だからこそ、チャレンジできる環境があります。自身の趣味を起点に社内で新規事業を立ち上げた企画営業部 担当部長のSは「釧路のことが好きで、釧路にこういうものがあったらもっと面白くなるんじゃないかと考えていける人を増やしたい」と言葉に力を込めます。「新たな道を歩めたのは、地域から信用のある三ッ輪商会が土台にあるからこそできた経験」と話すSの、若者に対する思いについて聞きました。

Sさん

企画事業本部 企画営業部 担当部長
兼 アグリビジネス課 課長 / 兼 ツーリズムデザイン課 課長
2005年入社

2020年に観光業に参入。翌年、ツーリズムビジネス課(2023年にツーリズムデザイン課へ名称変更)を立ち上げ、市内の複合施設「釧路フィッシャーマンズワーフMOO」内に「アウトドアショップEHAB(イーハブ)」をオープンさせ運営中。アグリビジネス課では、十勝の会社から事業承継し、酪農家への飼料の販売営業を経験。現在は、企画営業部の担当部長として、4つの部門をマネジメントしながら、新たな事業の芽を探している。

社会のニーズと会社としての構想、自分のやりたいことが合致。
地域にない事業をゼロから創り上げる経験の貴重さ。

2019年頃だったと思いますが、社長発信で会社として観光に関わろうという構想が生まれ、釧路で何ができるのかを考え始めました。前々から、会社が持っている土地で何か事業を起こせないかと議題に挙がることがあったんです。アウトドアやキャンプがずっと好きだったので、趣味を新規事業に繋げられないかと常々考えていましたし、三ッ輪商会なら自分のやりたいことを実現できるチャンスがあると思っていました。社内に海上コンテナを扱う部門があったので、コンテナを使ってホテルをつくったり、コンテナをブロックのように組んでショッピングモールをつくったら面白そうだなと思いながら企画書を出したこともありましたね。しかし、数字面ではつくり込みしていない夢を語るだけの企画書だったので、形になるものは皆無でした。


釧路の食はすでに文化として確立されていますし、ホテル事業も目指すものとは少し違うと感じました。すると残るは釧路の大自然。釧路を含めた道東の自然をもっと多くの人に楽しんでもらえる場所をつくることはできないだろうか、という考えに至りました。


時を同じくして、いまお店でも取り扱っているキャンプギアの会社と関係性ができました。そのご縁を機に、釧路湿原国立公園内の北斗遺跡でグランピング体験を提供するイベントを企画・実施することになったんです。釧路観光コンベンション協会の方と僕が中心になって、環境省や文化庁への開催許可取りからパンフレットの制作、食事メニューの検討、道具一つとってもこちらの方がいいのでは?など、細かい部分を一つ一つ詰めていきました。売上が立つイベントではなかったので赤字ではありましたが、「三ッ輪商会ってアウトドア事業もできるんだ」と地域の方に伝えることができたと自負しています。


その経験がアウトドアショップEHABに繋がるんです。観光コンベンション協会の方と関係性を築いていく中で、「MOOはお土産屋ばかりなので、他業態の店を入れたい」との思いがあることも知りました。事業計画書を作成し役員会で発表すると、正直反応は前向きなものではなかった。「アウトドアグッズなんて売れるの?」と言う役員もいたんです。一方で、面白いねと言ってくれる社員も複数いましたし、何より社長が「とりあえずやってみればいい」と背中を押してくれました。やりたいと手を挙げたことに関しては裁量権を持って任せてもらえる土壌が三ッ輪商会にはある。個人事業では簡単にできる経験ではないですよね。


店として拠点ができたからこそ舞い込んだ、事業承継の話。

社内で誰もやったことがない事業だったので、仕入れ先の開拓もゼロからです。アウトドア系の雑誌を山ほど買ってきて読み込んで、問い合わせ先一覧ページを見て一件一件電話していきました。突然電話した場合でも対会社となると信用していただけて、どの方も好意的に受け止めてくださいましたね。自分の好きなものを選んでいくのは楽しかったです。2021年にオープンすると、売上も反響もすごくよかった。当初は観光コンベンション協会とも連携して、観光コンシェルジュの窓口も設置していました。釧路の自然を紹介するハブとなる場をつくりたい、という思いがあるんです。


コロナ禍が明けて、キャンプ需要が落ち込んだ2023年から売上は下がり始めて、いまは結構しんどい時期です。だからこそ、試行錯誤しながら日常的に使えるメーカーやアパレルを増やす方向へシフトしようとしています。また、事業承継した和琴湖畔キャンプフィールドでのアクティビティ企画も僕たちの課の仕事です。和琴湖畔キャンプフィールドは、アウトドア事業の拠点が店としてあるからこそいただけた譲渡の話だと思います。他にも、観光事業者の方から「ツアーやイベントの企画ができないか」などと相談を受けることも増えました。


実は弊社としては、事業承継は初めてのことではありません。過去には十勝の浦幌町にある飼料販売会社の事業承継も経験しています。オーナーが高齢で跡継ぎが見つからず、畳もうとしていた会社でした。今まで通り飼料が買えないとなると困る農家さんは必ずいますよね。飼料販売も経験のない分野でしたが、多角的な事業展開がある弊社だからできるのでは、と考えました。結果、僕がアグリビジネス課を立ち上げ、機械設備課と兼務することになりました。現在も兼務していますが、帯広支店の社員に大方の業務は引き継いでいます。地域から消えそうになる大事な事業を承継できることも三ッ輪商会の強みだと感じています。


上場しているような大企業だと業務が細分化されているので、営業職だと営業の専門家にはなれますよね。そのような会社と比べて弊社は規模が小さいので、営業職の領域に留まらない仕事もありますし、複数の部門を兼務するなど、経験したいと思うことをすべてできます。とにかくやることが多いので、幅広いことをやってみたい人には向いていると感じます。そしてこれからは、もっと自分の得意なことが仕事になる時代だとも思います。自分の好きなことで稼ぐ方法を見つけることが三ッ輪商会ではできる。若い社員たちには、もっとやりたいことを提案してほしいと常々思っています。もしやりたいことが見つからないのなら、とにかく外に出てみてほしいんです。例えば、飲み会が嫌な人もいると思うんですよ。でも、飲まなくても喋らなくてもいいからとにかく行ってみるだけでも行ってみてほしい。そうすることで生まれる種は絶対あると思います。


決められたモノではなく、新しいモノを売りたい。
余白の時間が、興味をもつきっかけをつくってくれた。

そんな僕も、若いときから活発に動いていた社員ではありませんでした。夢も明確なやりたいことすら見つからず、いち社員として淡々と日々を過ごしていました。

僕は幼少期から大学卒業までアイスホッケーに打ち込んでいましたが、卒業後は就職もせずにフリーターをしていました。職を転々としながら札幌でアルバイト生活を続けていた頃、車が欲しくなって実家のある釧路に戻ったんです。実家で暮らしながらフリーターを続けている中で、縁あって三ッ輪商会に入社することになりました。


入社後は機械設備課(現インダストリーセールス課)に配属されましたが、ルート営業のため仕事に慣れると毎日同じことの繰り返しでとにかく面白くなかった。休みなくアイスホッケーを毎日やってきた僕にとっては暇で暇で仕方がなくて、生まれた余白時間を使って本を読み始めるんです。ビジネス書、漫画、小説など興味を持ったものは片っ端から読んでいきました。そこで「モノってどうやったら売れるんだろう」と疑問が湧くんです。当時は決まったモノだけを売っていたので、何か新しいことがしたかったんですよね。振り返ると、そこで抱いた疑問がいまに繋がる起点になっていたようにも感じます。暇な時間があったからこそ何かしようという気持ちになれました。


その後東京支店へ転勤したのですが、ルーティーンに慣れるとまた時間が生まれるようになり、仕事に直接関係のないBtoB向けの展示会へ頻繁に足を運びました。それは北海道にいると容易にできないことで、東京に異動したからこそできた経験でした。その後釧路へ戻り、事業を承継したり、複数の部門を兼務するようになって自分のやりたいことが段々とわかってくるようになるわけですが、20代の頃の余白の時間で触れた様々な本や経験が僕にとってはすごく大事な時間だといま改めて思います。


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INTERVIEW. 02

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